豆知識

漢方の目で見る
子どもの体と健康

子どもの微症状

子どもは、原因不明の微熱や頭痛、関節痛、食欲不振、寝汗などに悩まされることがしばしばあります。風邪の症状にも似ていますが、風邪であれば次第に回復するのに、一向に回復する様子も見られない。 そのような、はっきりした原因もなく、病気と健康状態の中間をいったりきたりしているような症状は、西洋医学では治しにくく、漢方治療が時に効果を発揮します。

原因

西洋医学の一般的な検査では特に異常は見つからず、そのため、適切な治療法は見つけにくくなります。東洋医学ではこのような症状を、自立神経の不安定や心身のアンバランスや感染症などのストレスをきっかけに発症した、主に「気」の異常を背景とする不定愁訴だと考えます。

治療の視点

▼西洋医学の眼
微熱や頭痛、関節痛の訴えが強い場合は解熱剤や鎮痛剤で症状を抑えます。食欲不振に対しては、栄養補給などで基礎体力の増強もはかります。

▼漢方医学の眼
虚弱児に対する処方に似ていますが、生まれつきの虚弱体質でなくとも、なんらかのストレスで気虚、気うつに陥ることもあるので、そのようなストレスに対する処方も考えます。

よく使われる漢方処方

柴胡桂枝湯:精神的に緊張しやすく、そのために頭痛などのからだの痛みを訴えたり寝汗をかく場合に。このような子どもの微症状には、もっとも使いやすい漢方処方。

小建中湯:虚弱体質で、ふだんからなんとなく精彩に欠けている子どもが訴える頭痛や腹痛、食欲不振などに。

小柴胡湯:食欲もあって元気もあるのに、微熱が続くような場合に。