豆知識

漢方の目で見る
子どもの体と健康

おう吐

おう吐の原因には、風邪、乗り物酔い、食道の構造異常、心因性と、いろいろなものが考えられます。また冬にはインフルエンザウィルスやロタウイルスに、夏には細菌感染症(食中毒)の感染によっておきうるおう吐も多くなります。 ただ、子どもは原因不明のおう吐を繰り返すことも少なくなく、そのような場合は西洋医学では治療が難しいのが現状です。
漢方治療では、おう吐は体内の「水」の分布が偏るため過剰になったところから水を出そうとしている状態と判断します。 これは「水毒」に効果のある漢方薬の使用を考えます。

治療の視点

▼西洋医学の眼
おう吐の原因を調べ、基礎疾患があった場合はそれに対する治療を行います。

▼漢方治療の眼
水毒に対しては、五苓散が効果を発揮します。 特に何度も水のような内容物をはき続けるようなおう吐には、即効性があります。 おう吐、下痢のいずれも、水分が急激に失われて脱水症状になります。 様子をみながら少しずつ水分を与えることを忘れずに。 特に乳幼児はからだの水分の比率が高いので、脱水症状になりやすく、放置すると生命活動にも影響がでます。 脱水症状が深刻な場合は、点滴などで水分や電解質の補給をはかります。