豆知識

食べてもええもん
食べたらあかんもん

第7回 食をベースに明るく楽しく健やかに育てよう

みなさんは「食育」という言葉をご存知ですか? 昔から「知育・徳育・体育」が教育の基本と言われてきましたが、今それらに加えて注目されているのが「食育」です。ふだん、何の気なしに食事をしていますが、私たちは生きていく上で、必ず食べなければなりません。

今回は食物日誌をつけることを通して、「食育」の意味を考えていきましょう。

食育とは何か

厚生労働省によると、「食育」とは「食を通じた子どもの健全育成」という考え方を指すようです。だれが作った言葉なのかは定かではないのですが、最近よく言われ出しています。読んで字のごとくで、だいたい感じがわかりますよね。

食育の「育」、まあ「育つ」とか「育てる」という意味ですが、教育の「育」でもあります。だからつまり、食べものを通した教育というふうに捉えれば、だいたいそう当たらずとも遠からずという感じだと思います。

この数十年ほどの間に、子どもたちを取り巻く地球環境は大きく変化し、お金さえあればいつでもどこでも好きな食べものを買って食べることができるようになりました。しかし、好きなものばかり食べていたのでは、自分の体を守ることはできません。

繰り返しますが、「食育」とは食に関する教育です。ですが、単に望ましい食習慣のための知識を身につけるだけでなく、食卓での一家団らんを通じて社会性を育んだリ、わが国の伝統のある食文化を理解したりすることも含む幅広い教育でもあるといえます。子どもたちが、自分で自分の健康を守ることができるようにすることや、健全で豊かな食生活を送るための能力、食事の自己管理能力を育てようとすることなども、含まれたものなのです。

食を通じた子どもの健全育成を

お母さんたちにつけていただいた食物日誌を見ていますと、本来はアレルギーの原因になるアレルゲンを見つけることが目的なんですけれども、「すごいもん食べてるな-」、「なんじゃこりゃ」と感じることがしばしばあります。最近のお母さんたちとの会話を通して感じることは、お母さんたち自身がまともな「食育」を受けていない世代なのかなということです。

カルシウムのために、毎日ちりめんじゃこを食べたり、朝食で食パンにかならずマーマレードとバターを付けるなどです。もっとも極端な例は「マヨネーズご飯」。これは、「マヨ、チュチュ!」なんていうテレビの影響なのか、本人たちはちっとも変だと思っていないのです。

献立の内容には個人差があるとはいえ、外食やインスタント食品を多く使う家庭が多いのも気になります。働いているお母さんたちにとって、帰宅してからの食事作りは大変かもしれません。つい外食やインスタントに頼りがちになるのは十分に理解できることです。しかし、小さな子どもたちを育ていく上で、親が煮炊きをしている姿を子どもたちに見せるということも大切です。旬の素材を使い、料理をするということが、子どもたちに「おいしそう」「いい匂い」などという食に対する興味を広げることとなります。