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2021.03.20
朝日新聞 2014年12月5日(金) 配信
血液で遅延型食物アレルギー検査「推奨しない」学会が注意喚起
わずかな血液を調べるだけで「遅延型の食物アレルギー」の原因食品がわかるとうたう「IgG抗体検査」について、日本小児アレルギー学会は「推奨しない」とする見解をまとめ、学会サイトで注意喚起した。原因ではない食品まで食べないよう指導され、低栄養などの健康被害につながる恐れがあるという。
この検査は、指先から少量の血液を採り、免疫機能の指標の「IgG抗体」というたんぱく質を測る。米や昆布、牛肉など96品目についてアレルギー反応の度合いがわかるとする米国製の検査キットを、日本の代理店が約2万9千円で販売。代理店によると、数百カ所程度の医療機関が導入している。
通常の食物アレルギーでは血液で別の抗体を調べる。遅延型アレルギーは通常と違って症状がすぐにあらわれないとされる。IgG抗体検査を使っているクリニックなどのなかには、疲労や不安、体重増加など様々な不調が遅延型アレルギーと関係しているなどとして特定の食品を食べないよう指導するところもある。高額なサプリメントの購入を勧められた受診者もいる。
ただ、IgG抗体は、食物アレルギーのない人の血中にもある。遅延型の仕組みや原因も、はっきりわかっていない。欧米のアレルギー関連の学会や団体はIgG抗体による検査の有効性を公式に否定し、注意を呼びかけている。